事業内容:
デジタルマーケティングと新規事業開発に特化し、設立からわずか6年で売上100億円を達成。デジタル広告の企画・運用、ウェブサイト制作および新規事業の創出・育成を通じ、顧客価値の提供と社員の成長・幸福の実現にコミットしている。革新的なマーケティングソリューションの提供で圧倒的成長を続ける
— 約1年前に導入いただきました。何を期待して導入いただいたか、お聞かせください。
全社員、特に幹部メンバーにとってよりどころになる数字的指標やメッセージを明確化することで、人が具体的に行動する状態をつくることが目的でした。
2018年の起業時にわずか5名で始めたこの会社も、今や社員数600名以上。必然的に起こるマネジメントの課題に対し、私が理想とする解決策は“マネジメントがいらない組織をつくる”こと。明確なビジョンと戦略に沿って個人が自由に動き、最大限の能力を発揮することで会社が前進するならば、人に管理される以上に個人も成長できる。
トップダウンで目標を落とし込むのでなく、若手を含めた主要メンバー全員で目標を構築していける「すごい会議」は、理想の組織づくりに最適でした。
— 創業5年で社員数600名超えの急拡大。どんなビジョンに向けた成長でしたか。
目指すビジョンは、『社員と顧客の理想像を追求する事業開発会社の頂点』。社員と顧客の幸福の実現に向け、新規事業を高速でつくり続けています。2カ月ごとに新たな事業をつくり続けるイメージですね。
なかでも、今、注力しているのは医療美容。医療分野は今がビジネスチャンスなので、ニッチトップとして市場を独占し、No.1になることが目標です。デジタルマーケティングの強みを活かし、拡大していきます。
— 経営チームへのセッションに加え、複数のプロジェクトで「すごい会議」の「Day1」を実施しました。意図をお聞かせください。
マネジメントせずとも“目標を立てて自発的に動く”組織をつくるには、多くの社員に“自分で目標をつくる”経験を積んでもらう必要がありました。
複数のチームで「Day1」を実施したのは、「Day1」の「目標を立てる」「達成へのKPIや役割を明確化する」というステップさえ体験できれば、その先の具体的なアクションは自分たちで徹底できると想定したからです。
デイリーでの数値管理や週次会議の実施など、実行を促す仕組みは以前から自社に根付いていたので、実行力には自信がありました。
畑下さんは物腰の柔らかさとは対照的に、会議での目標はより高く、期間はより短く、アグレッシブに基準を引き上げます。そんな社長を筆頭に、“やり切る”コミットが強いのがこの組織の素晴らしさ。その土壌に「すごい会議」の仕組みを装備すれば、その先の急成長は確実です。
チームごとの「Day1」では、いかにその後の行動につなげていくかという点をケアしながらも、チームビルディングの観点で各チームの意思決定者について情報を共有するなど、畑下さんへの現場課題への可視化も意図しました。
— 「すごい会議」の導入で、どのような変化・成果が生まれましたか。
私が言わなくても、数カ月間の目標を部署ごとに自主的に設定して行動してくれるようになり、マネージャーたちの成長を実感しています。
“目標と期日をきちんと掲げる”という、マネージャーとして当たり前のことができるようになった結果、数字への意識も高まりました。重要なのは、その意識を組織のマジョリティーにすること。大多数を本気にさせる状態をつくっていきます。
もう一つ、「承認」の文化ができたこともよかったですね。誰かの発言に「よ!」と声がけするフレーズも定着し、「承認」の文化が加速しました。
— 印象に残る問題解決をお聞かせください。
全部署の責任者を集めて実施した経営チームの「Day1」は、非常にインパクトがありました。1年後に目指す年商や重要なKPIをしっかり設定できたことはもちろん、「なぜそれを達成する必要があるのか」という根本を彼らと共有できたことに価値がある。
例えば、私たちは自社の目標をどれくらいの期間をかけて達成しようが、すべて自由です。1年でも、10年でもいい。ではなぜ、大変な思いをしてまで1年で達成すると決めたのか。
通常、10年かかるところを1年で成し遂げようとすれば、必然的に10倍のスピードで働くことになります。つまり、それだけ経験が凝縮され、短期間で人が10倍優秀に育つ、というのが私の理論。社員の成長が会社の成長、そのインパクトを意識しました。
実行力の強い組織なので、“自分で決めた”という「所有感」のある目標がつくられれば、行動は自然と力を増します。
一つの目標を追うということは、簡単に見えて実は多くの会社ができていないこと。目標が浸透しない、深く理解されていない、など、ベクトルをそろえられていないケースが多々あるなかで、社の方針を明確に表明して合意することは、初期設定として非常に重要です。
— 「1年で達成する」と決めた“今”は、貴社にとってどんなタイミングでしたか。
成長へのアクセルを踏むタイミングは、早すぎても遅すぎてもよくない。私が思うに「すごい会議」は、ゼロから1を生み出すときに使うのも悪くないけれど、最も効果的なのは、1から10へとスケールするとき。10にさえできれば100までは自走でなんとでもできる。
当社にとっては今がまさに、新規事業を「1から10に」するタイミングでした。
— この1年で、事業が「1から10に」なったことをどのように体験されましたか。
組織の「自走」を実感しました。具体的には、一つは定量目標を立て、そこへのギャップを埋めながら達成への行動をし続ける仕組みができたこと。もう一つは、その仕組みのなかで、マネージャーやメンバーが自分の役割と意義、意図を持って目標に向かえていること。これが私が感じた「10」の手応えです。
一通りの仕組みを整えた上で、今後いかに「100」へとスケールしていくかは、私たち自身で走りながら解決していきます。
— 創業時の5名体制から現在は600名規模への拡大。人材採用の課題に「すごい会議」はどう貢献できましたか。
“定量的な面を注視するがゆえに採用水準が低く、業界最高の採用水準にしようという視座がない”という問題と向き合いました。「採用」に限定せず、企業ブランディングの視点で解決策を取り、ブランディングの部署も新設しましたね。
医療美容の事業は労働集約的要素もあるため、組織の成長と人材採用は切り離せません。かといって、人数をKPIに置くと質がおろそかになりかねない。量と質、どちらも達成できてこそ「一流」。人事の枠を超えたブランドコミュニケーションで解決を試みた結果、人材の充実に成功しました。
— 貴社にとって、新垣コーチはどのような役割・機能を果たしていますか。
新垣さんは「場」をつくるのが非常にうまい。アイスブレイクからファシリテーション、コーチング的な誘導まで、自在なコミュニケーションで参加者の意見を引き出してくれます。
また、何十、何百という企業を見ているからこそ、客観的な視点で意思決定の穴を発見してくれる問題発見のプロでもある。自分たちだけでは主観的になって視野が狭くなりがちなところを、新垣さんのファシリテートに何度も助けられました。
もう一点、新垣さんはWEBマーケティングの企業に勤めていたキャリアもあるので数字やITに強く、マーケティングビジネスを深く理解されている点も魅力でした。
— 「すごい会議」と「新垣コーチ」を、どんな経営者や組織におすすめしたいですか。
目標達成意欲や向上心の高い経営者ですね。業種は問わず、急拡大を狙うフェーズに最適です。新垣さんのキャラクター的にも、マッチする経営者の幅は広いんじゃないかな。
— 「すごい会議」を体験したことで、畑下さんご自身にはどんな変化が生まれましたか。
以前より「伝える」努力をするようになりました。自分では熱量を持って『やる』と決めていても、それを人に「伝える」ことは、それほど意識してこなかったんです。
組織が小さいうちは、その状態でも問題なくお互いの熱量や意図を感じ取れていましたが、人が増えればそうもいかない。『ついてこれない人は辞めてもらってもいい』とすら考えた時期もありましたが、「すごい会議」を経て、経営者として思いを伝え、働く環境を整える努力はすべきだと、考えが変わりました。
今の規模のうちに、“なぜやるのか”を「伝える」必要性を学べたことは、経営者としての成長につながったと思います。
— 畑下さんにとって、「すごい会議」とはなんでしたか。
事業を「1から10」に成長させる、ブースターです。
私にとって経営とは、長期的に利益を生み出す仕組みがあり、毎年1%でも成長し続けること。安定的成長がないものには興味を感じられないので、その点「すごい会議」では、長期的成長への仕組みがつくれたことに大きな価値を感じました。
達成できなかった目標もありますが、自走の仕組みがつくれたので、導入時の期待に対しては90%満足しています。
— 「1から10」への成長が実現したところで、今回のセッションは完了です。「すごい会議」を次の組織成長に生かすとすると、どんなタイミングが考えられますか。
例えば、新たな事業を立ち上げる際のブースターとして、または、M&Aをした会社のパフォーマンスアップとしても最適です。組織を拡大する上で、成長が鈍化する危機感を感じたときにも必要かもしれません。
社員が少数のときは、ある種の特異な意欲や行動力を持ったメンバーだけで構成されていた組織も、人が増えれば「普通」の人材が増えていくことは必然。社員の自発性を高く保つ手段として、また必要になるときが来そうですね。
— 今後の活動についてお聞かせください。
私の源にあるのはシンプルな好奇心。事業を大きくしていくこと自体に、面白さを感じています。ただ、拡大はあくまで手段。資金力があって優秀な人材が属する組織の方が、社会性のある優れた事業に参入していけると考えてこその拡大です。
ビジョンの実現に向けて新規事業をつくり続ける、またはM&Aをしていく、というアグレッシブな体制は整ったので、あとは実行するのみ。
この人生は、今の仕事を続けられさえすれば満足、とすら感じているので、ビジョンの実現に強くコミットし、唯一無二の事業開発会社としてNo.1を目指します。
— ありがとうございました。
( 2023年12月11日、場所:ファンネルアド株式会社 本社、インタビュアー:渡辺恵)
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