事業内容:
2017年5月、川越にて整形外科クリニックを開業。スタッフ全員で「整形外科医療を通して、一人でも多くの患者様に安心、笑顔、元気、幸福を提供することに全力を尽くす」という理念に基づき、地域に根ざした医療を展開。理念経営の実現により県下No.1のクリニックを目指す。
— 「すごい会議」を導入するに至った経緯を教えてください。
開業時の思いとして、経営者とスタッフの関係が良く、仕事にやりがいがあり、かつ患者さんにとって役に立つクリニックを作りたいと考えていました。勤務医時代は自分が非常に短気だったこともあり、下のスタッフがついてきてくれずに上手くいかない経験もしていたので、自分自身も成長した上で、良い人間関係を基盤としたクリニックを作りたかったんです。
ところが開業から1年程経ち、スタッフが当初の倍の12〜3人になった頃に異変を感じました。大きな失敗もなく、スタッフも辞めることなく順調なはずが、彼らの本音が見えなくなってきた感じがしてeNPS(※)を取ったところ、−40%という数字が出てかなりショックを受けました。
(※アンケートにより従業員の職場に対するロイヤルティを計測数値化した指標。-100〜+100%で表される。)
— eNPSのスコアは業界平均と比較しても決して悪いスコアではないですが、想定よりも低かったということですね。
その結果を見て、何かを変えなくてはと思っていたところに、偶然、相川先生から電話がきて、会話の中で「すごい会議って興味ある?うちはこれで売上が〜倍になったよ。」と言われたんです。「すごい会議」について詳しくは知らないながらも、やりたいですと即答でした。
— 何が購入の決め手になったのか、教えてください。
初めて御社の90分のコーチング面談を受けた時に、今までにはないインスピレーションが僕の中にたくさん湧いてきました。そして「スタッフを巻き込んでこれを実施したら、もっと凄いことになると思いませんか?」と言われた時に、あ、これやろう、と決めましたね。
— 手に入れたい状態が明確になり、それをチームで実践することの最高のイメージができたということですね。
正直なところ、自分一人の限界は感じながらも、かといってこの先に経営幹部チームが作れるイメージもなかったんです。右腕としての存在は一人いましたが、eNPSは低かったし、患者は増えて忙しい。現場の細かいPDCAも回らなくなっている。これからはメンバーに助けてもらい、かつ育ってもらい、良い関係を築きながら成果を出すチームを作りたいと思ったんです。
— 実際に「すごい会議」を始めて、最初にどんな目標を立てましたか。
数値目標としては、クリニックの一日の平均患者来院数を250人(以前は多くても180人程度)、あとeNPSのプラス化です。どれも僕が想定していたより高い数値目標になったのは、スタッフが「もっと行けるでしょう!」とチャレンジングに引き上げてくれた結果です。
あとは、非数値目標として、理念に共感・コミットしてクリニックを本当に良くしたいと思ってくれる経営幹部を作りたいというのが一番にありました。
— 導入後、実際にどんな変化が起こりましたか。
圧倒的に以前との違いを感じるのは、スタッフの「愛着」です。目標を自分たちで決め、担当を明確にして信頼し、任せ、上手く行ったらみんなで喜び、失敗すれば僕が責任を取ることで、スタッフの仕事に対する「愛着」が増したのを感じます。
あと、スタッフのチャレンジ度が上がって、驚くほど高い成果に本気でチャレンジしようとします。これは梨木コーチの引き出し方によるものですね。
— 梨木コーチがメンバーとのコミュニケーションで実施していることを教えてください。
事前に、院長からセッションメンバーへの期待とチャレンジポイントをヒアリングし、その点を成長への鍵として僕の中で置きながら、メンバーの方とその時々で個別にコミュニケーションを取るようにしています。
メンバーから提案や質問が増えているし、こちらが何か言わなくても彼らが自主的に、勝手に問題解決してくれるようになりました。
— 導入から約半年が経ち、これまでにどのような成果が生まれましたか。
一日の来院数が最大220人程度に増えました。平均すると若干減りますが、それでも今までの約1.3倍。売上は140%に伸びています。中でも最も価値があるのは、幹部メンバーを作れたこと。幹部と呼べるメンバーが僕含めて2人から5人になりました。
売上は、良い関わりを生んで仕組みを改善した結果にすぎず、理念に即したコミットメントリストが作れたことで、自然と組織が育ったと感じています。
— これらの成果が生まれた最大の理由は何でしょうか。
本当は出来るのに「出来ない」と思い込んでいる潜在意識をちょっと解放出来たということだと思います。それは、チャレンジングな目標を立てて行動したからこそ生まれたもの。初めは目標の立て方も分からないし、「失敗したくない」という恐れもある。そこを、「失敗しても良いから目標にチャレンジする文化」を作れるのが「すごい会議」の良さですね。成長意欲が高いこのメンバーなら絶対に上手くいくという実感がありました。
— 「すごい会議」を実施する中で、院長がクリニックスタッフへのコミュニケーションで大切にしていることがあれば教えてください。
「すごい会議」はかなりチャレンジングで簡単に言うとキツいので、メンバーの表情が暗くならないよう、僕が盛り上げることを心掛けています。元気がないムードでコミットメントを作ると、後々までその暗い雰囲気がにじみ出てしまうと思うので。
— セッション中に、立ち上がって体全体でリズムを取りながら明るい発声で進める院長、その姿に「雰囲気よくやる」実践を感じました!
— ここまで実施して感じた「すごい会議」の一番の価値とは何でしょうか。
仲間ですね。経営者は孤独でキツい職業なので、辛さを共有できて一緒に立ち向かえる仲間との絆を作れたことが一番です。
あとは「会議」と言いつつ、知識のインプットもできること。勉強しながら具体的な目標も行動リストも作れて実践できる。学びと成功体験が両方積めるから、どんどん行こう!と言う感覚が生まれます。
— これまでに印象に残ったセッションがあれば教えてください。
前回のセッションで、「人の心」のようなテーマを扱ったんです。少し前に採用したメンバーが上手く機能せず、ただ、そこは人間の心が関わる問題で正解がなく、どんな成果が生まれるかは未知数でした。でもいざ実施してみると、実際に行動変化が起こるなどの良い効果が出ています。
何より良いのは、扱いにくい「心」に関する問題も解決できた体験が、「このメンバーならどんな課題も解決していける」という希望と自信になったことです。
大事なセッションになることは事前のミーティングから感じていました。曖昧な問題は曖昧な解き方になる傾向が強いので、その点は気をつけながら、言いにくいことをきっちり話し合うということが、ブレイクスルーへの起点になったと感じています。
— 様々な成果が出ている中で、次なる課題を教えてください。
マネージャーの育成です。僕の思いや理想が伝わる幹部メンバーが育ったので、権限を委譲も進めています。次はその下のマネージャーを育てることで、現場スタッフの育成やスタッフ同士で良い関係性を繋いで成果をあげるという連鎖を実現していきたいと思っています。
— 実際にセッションに参加されている方に、「すごい会議」を実施することでご自身に生まれた変化や違い、効果を感じたことなどをお聞きしました。
今まで院長と二人でやってきたようなことを、スタッフを巻き込み実施したことで、クリニックの成長スピードが数倍加速し、来院数もリピーターも増加し続けています。周囲のスタッフも今まで以上に協力的になり、自分のやる事も明確になるなど、日々の仕事がよりスムーズになりました。家庭でも妻と娘と目標を立ててチャレンジするようになり、娘は成績が上がり、得意科目では学年1位になりました。
目標・目的が明確になり、コミットすることへの行動の習慣化、そして成果が出ていることを実感しています。以前はチャレンジングなことは避けがちでしたが、「とりあえずやってみる」思考が身に付きました。「すごい会議」を良い雰囲気の中でできていることが嬉しいです!
大きく変わったのは、期日や数値を決めて行動するようになった事です。今までは行動計画を立てても明確でなかったり、だらだらと進めてしまっていました。それが今ではしっかりとPDCAを回す事が身につき、仕事でもそれ以外でも活用できています。また、「すごい会議」のおかげでメンバーの想いや考えも知る事が出来ました。「会議」=マイナスなイメージがありましたが、イメージがガラリと変わりました。
何をどう行動していいのかわからなかった人間関係への課題に、明確な目標と行動計画ができ、前向きに向き合うことが出来るようになりました。人間関係の不安に苦しむのではなく、どうしたら解決できるのかを真剣に話し合えた「すごい会議」とメンバーに支えられ、素晴らしい成果を上げることができました。
— 最後に、今後実現していきたいビジョンについて教えてください。
今までは、店舗を拡大して実績を上げ、自分は人間関係を築くのが苦手だったけどこんなことが出来るようになった、と広めていきたいと思っていました。でも最近は、拡大よりもいかに良い循環を生む組織を作れるか、ということを考えます。経営者である僕がまず、良い心持ちでスタッフに接し、それがスタッフに伝わり、患者さんに伝わり、結果クリニックが良い場所になる。目標は高く置きながらも、まずはスタッフが働くことを幸せに感じる組織を作り上げたい。その結果、共感する人が増え拡大する、そんな方法が僕には合っている気がします。
— ありがとうございました。
( 取材日:2019年6月)
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