CASE STUDY

導入1年で業績1.2倍伸長。
店舗拡大の経営課題に、新たな手法で挑む
導入1年で業績1.2倍伸長。店舗拡大の経営課題に、新たな手法で挑む

株式会社凪スピリッツ
代表取締役社長
生田 智志

事業内容:

2004年に新宿ゴールデン街の間借り営業からスタートし、濃厚な煮干しラーメンを特色に『すごい煮干ラーメン凪』、『ラーメン凪 豚王』など国内外合わせて50店舗以上を展開、受賞歴も多数。製麺業や煮干し商品の開発も手掛ける傍ら、健康を気にする人に向けて世界初の完全栄養ラーメン「BASE RAMEN」をコラボ商品として生み出すなど話題を呼んでいる。


課題: 売上・営業課題
規模: 100名〜1,000名
業界: サービス業界

26歳、好きなことをクリエイティブにやり続けるための起業

— まず始めに、起業された経緯を教えてください。

( 生田 )

起業する前は、20歳からサラリーマンとして勤め、ラーメンチェーン店「一蘭」で関東統括マネージャーをしていました。
一つの転機になったのは、2001年にアメリカの9.11が起こった後です。非常に大きな衝撃を受けてその翌年にアメリカに行ってみたところ、テロから1年目の式典が行われていて、まだ痕跡も残っている中で、嫌が応にも自分の人生について考えました。寝る時間を削ってNYの街を歩き回り、路地裏のレストラン、日本食屋やラーメン屋を巡るうちに、これからの人生は好きなことをビジネスにしていこうと思ったんです。
ラーメンが好きで人が好き、人が印象に残るような店をやりたい、そう考え26歳で会社を辞めました。会社に残ってポジションを築くという道もあったけど、こっちの方が自分でクリエイティブできて面白そうだと思ったんです。

— ゴールデン街のバーを間借りして営業を始められ、大変な人気店だったとお聞きしました。

( 生田 )

500日後には正式に起業すると決め、まずはゴールデン街のバーを間借りしてイベント的に店を始めました。最初は3人位しかお客が来てくれず、常に「どうしたら100人呼べるか」みたいなことをポストイットに書いてアイデアを出していましたね。

D 久保田 )

私たちの会議でも、ポストイットを使い、「どうすれば〜できるか?」という疑問文を解くという手法を使います。

( 生田 )

僕は人より時間がかかる方なので、サラリーマンの頃から、どうすれば先輩に追いつけるか、能力を伸ばせるかを考えて本をたくさん読んだし、アイデアマラソンのように一人でアイデアを3000〜4000個出しまくる、ということもしていました。人に勝つには、人の何倍も働くか能力を上げるかしかないと考え、ポストイットを壁一面に貼って常に考えてましたね。

欲しかったのは、赤字脱却&次のステージへ向かう、全く新しい問題解決手法

— 起業から15年、国内海外に50店舗以上を展開し業績を伸ばす中で、「すごい会議」を導入した理由を教えてください。

( 生田 )

2017年の12月頃、組織をもっと変えていきたいと思ってNATTY SWANKYの田中さんに相談したところ、「すごい会議」を薦められ、すぐに久保田さんを紹介してもらって会ったその日に導入を決めました。

— 導入の決め手は何だったのでしょうか。

( 生田 )

田中さんから紹介を受けた時点で、やると決めてはいたんです。実は当時は業績が伸びずに赤字の状態でした。でも社員の育成研修には既にかなり投資もしているし、もしこれで失敗したとしても、今までにやっていないことにお金を使い、真剣に試すことに意味があると思ったんです。やってみて違ったらやめればいい、それだけです。今の状態を生み出しているのは、過去の蓄積で出来上がった自分。そんな自分自身を変えたいというのがありました。あとは、久保田さんに会ってみて面白そうだと感じたからかな。

— 導入時に一番手に入れたかったものを、改めて教えてください。

( 生田 )

問題解決の手法を手に入れて、新しい基盤を作りたかったんです。僕個人の考えだけで進むのではなく、幹部やスタッフ全体で議論していくというのが必要なステージに来ていると思ってはいたものの、そういう場もなく僕や専務の意見を優先してしまっていました。でも実態は、僕も専務も既に現場を離れているので、少しずつ感覚にズレが出ていて良い成果が出ない。悪循環を感じているのに解決策が見当たらず、フリーズしている状態を打破したかったんです。

ちゃんと意見を議論する。今までにない高い目標を、みんなで創り上げる

— セッション(会議)第1日目を実施した時の感想を教えてください。

( 生田 )

まず、組織のトップメンバーが集まってみんなでちゃんと議論をするということ自体が良かった。それまで言えなかった「真実」をテーブルに上げたことで、あるメンバーは「その人がいると怖い」みたいな声が多く出て「僕、メンバーから外れた方がいいですよね。」と言い出したり(笑)。結果、メンバーとして残ったのですが、他になく核心に触れる会話ができる場だと理解したし、彼が今後変化するいいタイミングになったと思います。
あと、型があることの良さを感じました。現場のスタッフと会話する時も、お互いに明確な型=共通ルールがあると話が早いです。ポストイットに提案を書くとか、「提案」「質問」「リクエスト」の発言フォーマットとか、指摘ではなく必ず「提案をする」とか。使う「言葉」を全員で揃えるという点は相当気をつけて実践していて、この1年で随分変化したと思います。

— 約1年前、どんな目標を立てて動き出しましたか。

( 生田 )

売上目標25億円です。実際の着地は10〜11億と見ていたので、かなり高い目標数字でした。最初は体験したことのない数字にみんなどうしていいか分からず、会話がフワーっとしていましたね。でもやらないと始まらない。マイルストーンを一つずつクリアすることでしか見えないし、そこをやろうと決めました。

— その目標は「すごい会議」を導入しなければ、立てていなかった目標ですか?

( 生田 )

導入前から、5年後に50億円を達成しようという目標は立てていました。でも、それを予想よりずっと早いスピードで目指すことになったのは「すごい会議」だからだと思います。それによって、今だから見えてきたことや苦労しているポイントがあるので、そこを一つずつクリアするべく、一生懸命、高速で問題解決をしています。

上に立つ人間が「何が何でもやる」と決めてこそ、部下は躊躇なく実行する

— 実際に始めてみて、どんな進化や変化を感じましたか。

( 生田 )

しばらくは手法の意図を理解しきれていなかった気がします。ある時、他の「すごい会議」導入企業さんの会議を見せてもらう機会があったんです。社長が「高い目標達成への道を一歩でもいいから何か掴もう」というスタンスでアイデアを出し、事実やひどい真実を出すなど様々な角度からアプローチしているのを見て、その時に少し理解できた気がしました。
会社というのは、社長や社員の器や力量が上がらないと成長しないと常々感じているので、「すごい会議」は、その人間の器を少し拡げたり、自分自身で能力開発できるようにするためのものかもしれないですね。

D 久保田 )

私の感覚では、開始して4~5ヶ月くらい経った時にみなさんに明確に変化が現れた印象です。大きくは、メンバー皆さんの問題解決力向上と生田さん自身の進化です。

— メンバーの問題解決力向上はどのようにして起こったのでしょうか。

D 久保田 )

ある時、途中の進捗状況では順調と言っているのに、結果がついてこないことに気づきました。おかしいと思ったら、アイデアを試す際に100回実行して上手くいかないではなく、2,3回試しての結果だったんです。みんな真剣だけどどうして良いかわからない、失敗したくないという躊躇がスピードを緩めていたんだと思います。
そこで、その日の会議の時間を使って、その場で一斉にアポ入れをしてみると、「これはやるしかない!」というムードに全員がガンガン行動し始め、「意外とアポが取れました!」と(笑)。

( 生田 )

やると決めてやってみたら、その数時間で1ヶ月分以上の成果が出ましたね(笑)。

D 久保田 )

一つひとつの成功体験が大事です。でも、より大きな成果を出すためには、「目標を立て、アイデアを見つけ、それを実行し、効果を検証して精度を上げていく」というステップの繰り返しが必要になります。それを定着させるためのトレーニングとして、週に一度、進捗状況を確認する会議を実施してもらっていたのですが、それも上手く回っていないことに気づき、立て直したこともよかったと思います。

— 生田社長ご自身の変化は、どういう形で現れたのでしょうか。

( 生田 )

ある時、メンバーたちの会話から出来ない理由が多く聞こえてくるようになって、僕はそれを「あいつら、やらないんだよ。」というように、久保田さんに伝えたんです。

D 久保田 )

「彼らが本気かどうかはさておき、生田さん自身が達成を確かにしてください。」と会話した覚えがあります。メンバーが目標にコミットしていないということは、大概その上の人間にも原因があるというのが一つのパターンです。上司の背中を見ているので、「まず、トップであるあなたがあり方を変えてください。」とリクエストしました。そこから完全にスイッチが入ったのを感じましたね。

( 生田 )

きたな、と思いましたね。久保田さんに言われて、正直その通りだなと気づきました。そこからは製麺ビジネスに舵を切ると決め、知り合いのラーメン屋に片っ端から自分で連絡してコラボレーションのお願いをして、本気で動きましたもん。

「これまでを捨てる」「徹底する」で業績1.2倍

— 全員が本気になってから、どのような行動や結果が生まれましたか。

( 生田 )

目標数字の達成を目指す中で、まずは一つ成果を出そうと決めました。すぐに成果が出て、かつできるだけ分かりやすいアイデアに絞って実行したんです。例えば推奨販売。ラーメンの注文を受けた時に、その場でトッピングをオススメするという新たなサービスです。それを徹底してやってみたところ、驚くことに一店舗当たり、ひと月数十万単位で売上が伸びました。

D 久保田 )

ひと言伝えるだけで、簡単に言うと10%近く売上が伸びたんですよね。徹底することが大きな違いを生みます。

( 生田 )

売上に大きく貢献した今期最大の財産です。その頃には、発言の際に使うフレーズも定着し、会議以外の場所でも自然と「すごい会議」で使う言葉が出てくるようになっていたので、更に取り組む領域を拡げようと考えました。
そこで「自分たちでコントロールできることって何?みんなを巻き込んでできることは?」と話し合い、コントロールしにくい海外展開よりも、国内にフォーカスして利益を出そうという新たな経営の方向に切り替えました。

D 久保田 )

国内をコントロールできる人が幹部社員として育成できると最高、という会話も出て、今はその育成にも力を入れていますね。A領域はこの人、B領域はこの人、と言うように任せられる人材が育ってきたのを感じます。

— 改めて、昨年一年で得られた一番の成果は何ですか。

( 生田 )

業績が昨対1.2倍に伸びたことです。推奨販売も上手く行ったし、伸びる要素を色々と感じてはいたのですが、改めて数字として結果が出ました。今までの自分たちのやり方を捨てて、新たなやり方に変えたことが一番の要因だと思います。

必要なデータを集めると、解決すべき「問題」が見えてくる。

— 目標達成に向けて、どのように解決すべき「問題」を見つけ出しているのでしょうか。

D 久保田 )

月に一度のセッションの場以外にも、進捗確認の会議として週に一度、担当者が各自のKPI達成に向けた様々なデータを共有します。その場で生田さんの嗅覚が働き、問題発見が進んでいるのを感じます。

( 生田 )

ポイントとなる問題は見えてきています。新店舗を出す際に、どうすれば開店までの時間や教育期間を短くできるかとか。人材面とサービス面での課題が大きいです。最近気になっているのはお客様のリターン率が下がっているという事実。オペレーションスピードを上げたことの影響とも取れますが、品質が保たれずに規模を拡大していくと、後からの修復は厳しいですからね。早めに問題が浮き彫りになったので、今のうちから手を打って改善していきます。

D 久保田 )

以前より多くの事実データを扱うようになったからこそ、浮き上がる問題があります。

( 生田 )

表面的に見える数字だけでなく、今まで測る仕組みがなかった数字を測り、それを改善することもあります。提供スピードとお客様の滞在時間をかけ合わせるとか。採用の応募数と離職率を並べて見るとか。事実データを更に有効に扱えるようになったことは大きいです。

今の結果には「大満足」、でも目標達成への道はまだここから

— 導入から約一年、導入時の期待に対して、「すごい会議」は100点中何点でしょうか。

( 生田 )

僕は大満足です。80点、90点くらいかな。新たな基盤もできてきているし、数字も上がってきている。不足しているのは、経験としての実施回数や時間かなと思っています。今大事なのは、目標に向けて現場拠点ごとにどう問題解決を落とし込んで実行できるかですね。

— 2回目の契約期間に入りましたが、引き続きご契約いただいた理由を教えてください。

( 生田 )

まず、目標達成に道半ばであり、必要だからです。あと、コーチとは相性もあると思いますが、久保田さんは本質や真実を常に様々な角度から見ていて、僕らにわからないノイズの原因や出どころを言い当ててくれるのがいい。それに、言葉の型やルールというのは、例え台本があってもコーチが変われば多少の変化が生まれると思うんです。誰に教わるかによって野球のスイングが微妙に変わるのと同じように。とすると、まだ完璧に成熟した段階にない僕らにとってはコーチが変わらない方がいいので、久保田さんにお願いするのがベストです。

煮干しから、社会を、地球をちょっと良く変える。目指すのはそんなインパクト。

— これから先に、どんな成長の未来を描いていらっしゃいますか。

( 生田 )

一つは事業成長、もう一つは社会的意義という二軸で見ていて、3〜5年で大きく事業構造を変えていきたいと思っています。僕らは煮干しを使ったラーメン屋ですが、煮干し自体は市場では衰退しています。需要がないと供給も減る、そうすると美味しい煮干しが少なくなる。そんな今の煮干し市場の問題も解決していきたい。例えばブランド物の鞄のように、付加価値が付けられれば需要も供給も増え、結果煮干しラーメンの価格も上昇するかもしれないし、うちの煮干し使ってください!と売り込みが来て事業構造も変わるかもしれない。会社が活動することで価値が上がり、社会にとって、地球にとって良いことが起こるようなインパクトに繋げていきたいです。

— 最後に、「すごい会議」はどんな企業にオススメしたいと思いますか。

( 生田 )

個人的にはどんな会社でも合うと思いますが、導入はなるべく早い方がいいと思います。組織の規模が大きくなると、その組織の価値観に合わない人も入ってくる。そうなると企業文化を育てるのに時間がかかると思うので、規模が小さく、社長との接触回数も多いうちから言葉や文化を統一して足並みを揃えるのが良いと思います。

— 本日はありがとうございました。

( 取材日:2019年2月5日 / 場所:すごい煮干ラーメン凪 西新宿7丁目店)


               

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