事業内容:
主に20代をターゲットに独立支援型スクールを運営。プログラミング、Webデザイン、Webマーケティング、動画編集、ライティングなど、WEB領域に特化したスキル習得で未経験からフリーランスとして活躍できるまでの成長を支援する
— 約1年半前に導入いただきました。どのような期待から導入いただきましたか。
業績が伸び悩む時期が続き、売上倍増を目指して導入しました。4、5年前に新垣さんのセッションをオブザーブして以来、「すごい会議」とは、目標達成に向けて経営トップが真剣に変わろうとする場だと感じていて、その認識は今でも変わりません。
— 導入の結果、どのような成果が生まれましたか。
過去最高売上を達成しました。「すごい会議」で立てた目標には至らなかったものの、売上額は導入前と比べて150%の成長。利益率も同様に伸びています。
この結果への満足度は90%で、マイナス10%分は「すごい会議」で立てた目標の達成までやり遂げたかった、という心残りです。ただ、目標自体が非常にチャレンジングで難易度の高いものだったことは事実なので、手に入った成果には100%満足しています。
— 「売上倍増」にフォーカスした目標を、途中で変更されたそうですね。
当社のサービスは、WEB未経験者でもフリーランスとして活躍するWEBスキルを身につけられる伴走型オンラインスクール、「リバキャリ」です。
この事業の成功には、受講者を増やす営業活動と受講者の満足度を高めるカスタマーサポート(CS)という二軸のアプローチが不可欠であるにもかかわらず、当時の当社は、営業活動ばかりに終始していました。
その問題が浮き彫りになったのは、「すごい会議」のセッション初日。「すごい会議」のプログラム通りに「ひどい真実(会社や自分自身の)」を挙げていくと、社員の口から「自社のサービスに自信が持てない」という声があがったんです。
— CSに関して、どのような問題が起きていましたか。
最大の問題は、顧客の成功が担保できていなかったこと。未経験からスキルを身につけて稼げるようになるはずが、当時の顧客の平均収益額は「稼げる」とは到底言えない金額でした。
サービスが破綻していることは明らかなのに、営業活動に必死で本質的な問題に向き合おうともしてこなかった。その結果が「誇りを持てない」という社員の言葉と離職率の高さに表れていたんです。
CSに起因する問題が多発していることを初めて自覚し、新垣さんからの「CSに力を入れるべきです」という助言をきっかけに、CSへの取り組みを重点課題として設定しました。
— コーチが「CSに注力すべき」とアドバイスした意図を教えてください。
「なんの仕事をしているか」と、その企業の「商材」は、ほぼイコールです。つまり自社のサービスに自信が持てなければ、どんな問題解決をしたところで大きな変化は起こせない。セッションメンバーの声を聞く限り、問題の源はそこにあると感じました。
もちろん、目の前の売り上げも重要。「売り上げ」と「CS」の二軸で目標設定を進めつつ、働く人が誇れる会社にすることを意図してセッションを進めました。
新垣さんからの提案がなければ、僕らはその後も売り上げだけを追い続け、結局のところ、今ほどの成長は得られなかったと思います。それどころか、場合によっては会社の存続すら危うかったかもしれない。非常に大きなターニングポイントでした。
— CSの問題解決に取り組んだ結果、どのような変化が生まれましたか。
顧客の成功を定量化し、「どうすれば顧客の平均収益額を上げられるか」と、カリキュラムやサポート体制を大幅に見直した結果、約1年で平均収益額が導入前の30倍に伸びました。なかには、受講期間中に700万〜800万を売り上げる学生もいて、過去になく顕著な実績が出ています。
また、そんな顧客の変化を営業チームに共有することで、営業陣も次第に「リバキャリ」に誇りを持ち始めてくれた。会社へのロイヤルティが向上し、離職率が改善。社員数は過去最高を更新しています。
営業一色だった組織に「CSと向き合う文化」が生まれました。
— 今回の「すごい会議」の導入成果として、塩崎さんが最もうれしかったことはなんですか。
一つは、営業のメンバーが「『リバキャリ』をもっと本気で売りたいと思った」と、言ってくれたこと。もう一つは、「『リバキャリ』が生きがい」と、受講者がSNSに投稿してくれたことです。もちろんPRとしてではなく、オーガニックに。
僕自身、役職が上がるにつれて現場を離れ、数字ばかりを見るようになっていましたが、ビジネスとは「お客様に喜んでもらってなんぼ」であり、社会に価値を提供できてこそ意味がある。そんな当たり前の大原則を思い出し、初心に返らせてもらえました。
顧客が何に悩み、どんな理想を描いて「リバキャリ」にたどり着いたのか。現場で顧客とかかわりながらサポート体制をチェックし、サービスのクオリティを本質的に上げる活動ができたのは、このプロジェクトのおかげです。
— 「仕事に誇りを持てない」と発言した方のその後はいかがですか。
今となっては、他の誰より「リバキャリ」に自信を持ち、当社への入社を他者に薦めてくれているようです。本人曰く、「顧客がこれほど結果を出せるスクールは他にない」と。
顧客の成功が何よりの実績であり、それを実感してこそ営業のモチベーションも高まるもの。毎月のミーティングで、顧客の声を共有することが当社の文化になりました。
— 「すごい会議」の何が作用して、それらの成果や価値観の変化が生まれましたか。
コーチである新垣さんのプロ意識です。実は、導入当日の僕たちはひどい有り様で、セッションメンバーの2名がセッションの朝まで酒を飲み、遅刻をするわ、酒臭いわの最悪な状態。しかも、そこで怒られたにもかかわらず、その日にやるべきタスクを「やった」と、嘘をつくメンバーもいた。
その日の終わりに、新垣さんから「このチームで成果を上げるのは無理です」と、契約をお断りされて事の重大さに気づきました。
今思えば、自分たちのアイデンティティを勘違いし、「マナーはないけれど結果で見せる」と、イキがる未熟な集団だったんです。その甘さが売り上げの停滞や離職率などに現れていたにもかかわらず、現実を見ようともしなかった。
「売り上げさえ上がればいい」と考えていた僕たちの目を覚ましてくれたのは、「プロとして成果を約束できなければ契約を断る」という、新垣さんの誠実なあり方です。
「自分たちはどうありたいのか」と、経営メンバーで4時間話し合い、「このままではダメだ。変わるには本気でフィードバックしてくれる人が必要だ」と決意して謝罪し、今があります。
経営陣が初めて未来の自分たちについて本気で会話した4時間であり、あれがなければ今の僕らはないですね。
セッションは、初日にすべてがつくられます。あの状態で成果を上げるのは難しいと判断して一度はお断りしましたが、再開後は心機一転、全員がスーツ姿で会議に登場(笑)。以降の切り替えと実行力が見事でした。
— 「すごい会議」の体験は、塩崎さんご自身にどのような変化をもたらしましたか。
目標と向き合う力が変わりました。「その施策を100%信じて進めているか」「達成を100%&信じられているか」と、自分自身に生じる違和感を少しも見逃さず、的確に指摘してくれる新垣さんのアンテナの張り方を学んでいます。
もっと言うと、自分に対して「問い」を立てる癖がつきました。「どのようにすればできるか」と、新垣さんに繰り返し問われることで僕のなかに「問い」が浸透し、「本当にこれでいいのか」と、自分をモニタリングする習慣がつきましたね。
この「問い」は、間違いなく僕の人生に影響するものであり、自分を偽らず、本心で生きていける未来を予感しています。
— 塩崎さんは、このプロジェクトの意思決定者に立候補されたと伺いました。意思決定者としての体験で、どのような気づきがありましたか。
以前から部下をマネジメントする立場ではありましたが、かつての僕は、現場の意見を尊重するように見せながら自分で決断することを避けていたと気づきました。
今回、意思決定者として「正解は何か」と悩む場面は幾度もありましたが、指針になったのは「正解はない」という新垣さんの言葉です。正解にするためのアクションが大切なのであって、唯一無二の正解は存在しない。
加えて、「目標が機能していないと感じた瞬間に、本気で追える目標に設定し直してください」というアドバイスも力になり、失敗を恐れずに意思決定できるようになりました。
— 塩崎さんにとって、「すごい会議」とはなんですか。
自分たちだけでは思いつかない視点をコーチが提供してくれる場であり、「問い」を投げかけてくれる場です。小手先の提案やアドバイスでなく僕たちの思考から根本的にアップデートしてくれるので、いわゆるコンサルティングとは全くの別物。
コーチの経験や知見が僕らの学びに直結すると考えると、当社にとって「すごい会議」は「新垣コーチ」という人物そのものですね。
— 新垣コーチをどんな企業におすすめしますか。
事業の停滞を、なんとしてでもブレイクスルーさせたいという会社かな。「すごい会議」の基本姿勢は、チャレンジングな目標を立てて今までにない成果を作りだすこと。そのためには自社の弱点や「ひどい真実」と向き合い、治療の一環と思って全面的に受け入れる必要がある。
結果、僕たちは180度変わりました。ブレイクスルーのために、自分たちを変える覚悟のある組織におすすめします。
— 今後の事業ビジョンをお聞かせください。
会社として目指すのは、業界での顧客満足度No.1です。今取り組んでいるのは、年間の収益額が一定水準を超えた顧客の口コミを、WEBサイトに200名以上掲載すること。
一般的なLP(ランディングページ)では数名の口コミを掲載するのが一般的ですが、当社は「すごい実績」を出した人を紹介し尽くし、「リバキャリ」で稼げる証を示します。
そのためにも、顧客とのコミュニケーションを激増させる仕組みづくりが課題であり、どんな受講者であっても成果を上げられるよう「行動させる」サービスづくりがカギになる。組織成長に向けて採用活動も加速させながら、引き続き、CSに軸足を置いて次の成長を目指します。
— ありがとうございました。
( 取材日:2024年5月23日、インタビュアー:渡辺恵)
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