CASE STUDY

前年比売り上げ140%、利益率200%成長の裏側。顧客のロイヤリティを高める、ジム経営の新戦略
前年比売り上げ140%、利益率200%成長の裏側。顧客のロイヤリティを高める、ジム経営の新戦略

株式会社ひととこむ
代表取締役
内田 祐介

事業内容:

パーソナルジム事業と動画広告事業を主軸に運営。パーソナルジム「Rat」をメイン事業とし、日本全国に16店舗(FC含む)を展開する。さまざまな資格を保持したスタッフが、マンツーマンのフィットネス指導や栄養管理の多方面から顧客の健康とウェルネスの向上をサポートする


課題: 事業拡大成長
規模: 30名〜100名

新戦略への挑戦。顧客をファン化する仕組みづくり

— 約1年前に導入いただきました。導入のきっかけと目的をお聞かせください。

( 内田 )

お世話になっている方の「すごい会議」をオブザーブする機会が過去にあり、『これは“すごい会社”が導入するサービスだ』という印象を受けつつも、いつか自社で取り入れたいと思っていました。

当社の主力事業はパーソナルジムの運営。売り上げは伸びている一方で、これまでは新規顧客の獲得に重点を置いて進んできたため、既存のお客様の満足度向上に注力できていないという課題感があったんです。

お客様と社員の幸せをさらに高めるために、顧客をファン化し、従業員に還元できる仕組みをつくりたい。サービスのクオリティアップと新サービスの確立を目的に、「すごい会議」を導入しました。

— セッションを始めるにあたって、どのような組織目標を立てましたか。

( 内田 )

売上利益の指標以外にも、売上高に対する広告比率を今までよりも下げることを目標に置きました。

現状、ほぼすべての新規顧客をWEB広告から獲得して売り上げを立てていることを踏まえると、売り上げを今以上に伸ばしつつ、かつ広告比率を下げるには、従来とは違うアプローチが必要になる。

既存顧客の継続率を上げる、口コミや紹介からの獲得を増やすなど、新たな施策の強化を狙った目標でした。

サービスの品質向上を鍵に、継続率&紹介率UPを達成

— 導入から1年、どのような成果が出ていますか。

( 内田 )

ジムの会員種別として、「継続会員」というメニューを新設しました。以前は入会時の目標を達成して卒業とする方式を取っていましたが、顧客の満足度を向上させるには、長期的な目で見て、正しい食事習慣とトレーニングをお客様ご自身でできるようになってもらえるようサポートする体制が必要です。

新体制の開始から1年が経ち、継続会員のお客様は着実に増えています。同時に、友人をご紹介いただく紹介率も伸び、売り上げも上がっている

僕が思うに、その成長の基盤はサービスの質の向上にある。トレーナーの確かな技術力への信頼が、結果に現れました。

— サービスの質を高めるために、どのような解決策を実行しましたか。

( 内田 )

一つは、お客様の幅広いお悩みに対応できるだけのトレーナーのスキルアップです。ダイエットの成功を提供するのは、もはやどのジムでも当たり前のこと。

例えば、腰痛や関節痛といった不自由さを抱える方の健康の改善やスポーツのパフォーマンスアップなど、さまざまな資格を持ったトレーナーが最適な解決策をご提案できるよう、アプローチを充実させました。

トレーニングや食事管理、体調管理まで。多様なプログラムを強みとして伝えていくことで、クオリティを担保する「事実」を確立できたと自負しています。

効果的なKPIとは? 1年で売り上げ140%、利益率200%成長の秘訣

— 売上利益や広告比率には、どのような変化が生まれましたか。

( 内田 )

広告比率は目標値をほぼ達成し、売り上げは導入前の約140%、利益率は約200%まで伸びました。

店舗やトレーナーを増やしたわけではないので、純粋にトレーナーのパフォーマンスが向上し、売上利益と反比例して広告比率を下げられたという、予想以上の結果です。

— その成果に対し、「すごい会議」はどのように貢献できたのでしょうか。

( 内田 )

無理をしてでも時間をつくり、会社の未来について主要メンバーで考える場を持つ効果を実感しました。以前は、僕一人で経営のことを考えていましたが、現場を巻き込むことで自分にないアイデアが集まると体験できた。可能性の広がりを実感させてもらいましたね。

D 新垣 )

内田さんの思考と「すごい会議」の手法が、うまくマッチしたように僕には見えます。

この組織のみなさんは数字へのコミットが非常に強いんです。さすがはトレーナー集団、淡々と“やり切る”文化がある。しかし、会議で決めたことを徹底しても、すべての施策がうまくいくとは限りません。

そんなときに「そのKPIは指標として正しいのか?」と、チェックする視点を持てるのが内田さんです。

毎月の会議で指標とするKPIの“正しさ”をチェックし、最適なKPIを探し続けたことが数々の成果につながった、というのが僕の見立てです。

— 効果的なKPIを発見するコツを教えてください。

D 新垣 )

新たなKPIを試し続ければ、いつかは当たるというのが一つの真実。「鍵になるKPIってなんだろう?」と考え、うまくいっているものは継続し、そうでないものは積極的に変えて解決策を実行し続ける。

現場で起きた「事実」をもとに、PDCAを高速で回すことで見極める力が磨かれ、KPI発見への精度が上がります。

「理念が薄まらずに伝わり、スタッフの実行力が上がる」

— 内田社長にとって、この1年に起きた変化で最もうれしかったことをお聞かせください。

( 内田 )

社員の成長を実感できたことです。自分と同じ目線で意思決定できるメンバーが確実に増えた実感がある。同時に、彼らが自分たちの部下にも理念を伝達するという連鎖が生まれ、一貫性を保ちながら仲間を増やせています。

「提案・質問・リクエスト」という言葉のフォーマットも効果的で、以前は僕に意見を委ねていたようなメンバーも、「こうしようと思う」と、自ら提案してくれるようになった。人材成長のサイクルが早まりました。

— 「一貫性を保って仲間を増やせる」状態は、どのようにつくられましたか。

( 内田 )

「すごい会議」で描いたビジョンやKPIを伝える機会を増やしました。毎朝の朝礼や研修の時間、お客様のいない空き時間などを生かし、僕以外の主要メンバーが会社の思想や方針、「なぜやるのか」の意図を、スタッフに一対一で積極的に伝達していったんです。

理念が薄まらずに伝わることで現場の実行力が上がり、お客様への提案にも熱が入る。その成果が数字に現れ、スタッフの給与にも還元できる理想的な循環が生まれました。

FC店舗でも売り上げ200%。人と事業を育成する

— フランチャイズ契約の店舗でも、「すごい会議」を独自に活用しているそうですね。

( 内田 )

フランチャイズ展開の6店舗に対し、僕がコーチ役となって彼ら専用の「すごい会議」を実施しています。

KPIを決めて売り上げを追うという同様の仕組みを取り、僕らが試行錯誤して見つけたKPIや成功事例、技術面のマニュアルも共有したところ、売り上げは6社合計で200%近くにアップ。広告比率も低下するという驚異的な成果が出ました。

明確に意思決定して進めることでこんなにも顕著に成果が出るとは、その効果を改めて実感します。

— 2年目も引き続きご契約いただいた理由をお聞かせください。

( 内田 )

「すごい会議」は、いわば経営会議のパーソナルトレーニング。全員で集まる、決まった時刻に開始する、決めたことを実行する、といった当たり前のことを例外なくやり通せるのは、コーチがいてこそ。その価値を誰より熟知しているのは、僕ら自身です(笑)。

「すごい会議」を続けることで僕自身のコミットメントを強化する狙いもあり、来年は新たな経営基盤をつくることにもコミットしていきます。

— 「新たな経営基盤」の構想をお聞かせください。

( 内田 )

来年以降は、オリジナルで開発しているプロテインの質をさらに高め、新たな売り上げの基盤にするための問題解決に取り組みます。トレーナー養成スクールの構想もあるので、少しずつ形にしていきたいですね。

そこに向けて欠かせないのは人材育成。

現経営メンバーには事業統括者としてのリーダーシップの発揮を、各店長には一段上のマネージャーへの成長を望みます。「すごい会議」を通して、経営視点や意思決定力を備えた人材へと育てていく予定です。

“メソッド”と“コーチ”、両輪があるのが「すごい会議」

— 新垣コーチは、貴社にどんな価値をもたらす存在ですか。

( 内田 )

まず、目標の基準を引き上げてくれます。僕らだけだと現状の延長線になりがちな目線を、コーチが客観性をもって引き上げてくれる。高い目標を立ててこそ生まれるコミットメントがあると、体験しました。

また、僕らにない切り口やアイデアを聞かせてもらえることも魅力。紹介率を上げるアイデアやセールスへのフィードバックなど、新垣さん独自の視点が成長へのヒントになります。

D 新垣 )

他にも、僕が経営会議に入る意図の一つが、第三者の介入です。

会議の司会と意思決定者、両方を社長が担ってしまうと、参加者は“社長が求める正解”を探し始める。率直な意見を集めるには、第三者がファシリテートして心理的安全を確保した上で、発言を促すことをおすすめします。

また、目標の基準を引き上げると同時に、それに見合ったアクションプランが組めているか、マイルストーンが設計できているか、管理することも僕の役割です。

— 新垣コーチのどんな人柄に魅力を感じますか。

( 内田 )

僕らの現場を詳細に理解してくれようとする点ですね。だからこそ、メンバーも新垣さんを信頼してついていく。

他にも、WEBマーケティングの知識の豊富さも魅力の一つ。WEBからの集客が事業の基盤にある以上、コーチが事業特性やKPIを熟知しているとPDCAのスピードが上がります。知見をフル活用していただきました。

— 「すごい会議」を、どのような経営者の方におすすめしますか。

( 内田 )

『変わりたい』『組織を変えたい』という願望が社長にあるかどうか、が重要でしょうね。例え現場にやる気があっても、最終的に社長自身がコミットメントできなければ結果は出ない。そこが「すごい会議」のポイントだと思います。

心身の健康から人生の豊かさを生みだす世界へ

— 今後のビジョンをお聞かせください。

( 内田 )

生活者の健康意識を高め、健康への投資を増やすことで人生がより豊かになる、と体現できる日本にしていきたいですね。その世界の実現に向け、日本最高峰のクオリティを誇るパーソナルジムに育てていきます。

多くの人の人生をサポートするためにも、2030年までに50店舗出店を実現し、お客様やスタッフ、僕と関わってくれる人たちの人生を豊かにしていくことが目標です。

— ありがとうございました。

( 取材日:2023年12月15日、場所:株式会社ひととこむ本社、インタビュアー:渡辺恵)


               

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